ウェブ業界の15年、これからの10年 (Re ウェブアプリケーションサーバを複数台構成とか2010年代には流行らない)
先のエントリ (ウェブアプリケーションサーバを複数台構成とか2010年代には流行らない) ではボトムアップに煽った書き方をしたけど、自分がトップダウンでどういうふうに捉えているかについて。以下、あくまでも私見です。
いわゆるネット業界は1990年代後半に始まってから15年くらいたったわけだけど、当初はマスメディア(静的コンテンツの配信)が業界の中心だったのが、パーソナライゼーションを経て、コミュニケーションツールへと変化してきた*1。
それにあわせて技術的な面でも分化が進み、今ではデータベースとアプリケーションサーバと httpd っていう三層構成が一般的になっている*2。
そもそも Apache って、モジュールをC言語で a-patchy に書いて動的コンテンツを作れるのが売りだったわけだけど、今じゃコモディティ化を通り越してレガシーソフトウェアの代表格。でもみんなあんまり困ってないので、lighttpd とか nginx とか varnish とかへの移行はゆっくりとしか進まない。
アプリケーションサーバの比較とかそういう話も数年前までは良く聞いたように思うけど、最近はあんまり聞かない*3。
逆に、コミュニケーションサービスにおけるデータセットの大きさが業界の技術面での前線になっている*4のは、NoSQLやHadoopといった話に注目が集まっていることからも明らかなんじゃないかなーと。そういった広義のストレージ技術が、今後もしばらくは (コモディタイズとしての) 革新の中心でありつづけるんだろうと思ってる。
ちょっと強引にまとめると、焦点技術は、httpd → アプリケーションサーバ → データストア という風に変化してきている*5。
ただアプリケーションサーバの側でも、WebSocketとかそういう大量に接続を張りっぱなしにするモデルをどういよう、というのは今熱い感じではある。これもやっぱり、サービスのトレンドとして(セミ)リアルタイムコミュニケーションが注目されてることの裏返しなんだろうけど。
スケールアウトによる大規模データ処理とセミリアルタイムコミュニケーション、この他に、どのような、技術的な、あるいはサービスのトレンドが生まれてくるのか*6。
ネット関係のバイトから始めて、ブラウザ屋さん (兼プロキシ屋さん) を経て今はデータベース関係の仕事が多いけど、また上のレイヤの仕事もやりたいな、なんて思いつつバックアップ環境の構築にいそしむ年の瀬なう。